下がり【サガリ】:岡山県邑久郡に伝わる。路傍の古い榎の木から、馬の首が下がってくるという。(『岡山文化資料』など)
管狐【クダギツネ】:長野県を中心にした中部地方などに伝わる。憑き物の一種であり、竹筒の中に収まるほど小さな獣ともいわれている。これが憑いた家は管使いなどと呼ばれ、管狐を自分の意志で使いこなしたという。元々は山伏が使役していたものだという。(石塚尊俊『日本の憑きもの』など)
袖引き小僧【ソデヒキコゾウ】:埼玉県比企郡に伝わる。歩いていると、後ろから袖を引っ張られるが、振り向いても誰もいないという。(『川越地方郷土研究』など)
槌転び【ツチコロビ】:鳥取県東伯郡に伝わる。槌のような形をした蛇が足元に転がって来て噛み付くという。(『郷土研究』一巻五号、柳田國男『妖怪談義』など)
件【クダン】:中国、四国、九州地方などに伝わる。体は牛だが人面であり、生まれてすぐに予言をし、いい終わると死んでしまうという。予言は災害や疫病などが多く、社会に異変があるときに現れるという。(広島民俗学同好会『民間伝承』二巻六号「クダン」など)
肉吸い【ニクスイ】:和歌山県の果無山脈などに伝わる。十八、九歳ぐらいの美しい娘が「ホーホー」と笑いながら近づいてきて、「火を貸せ」といってくるという。これに触れられると肉を吸い取られてしまうという。(南方熊楠『人類学雑誌』三十三巻二号「肉吸ひと云ふ鬼」など)
人形神【ヒンナガミ】:富山県礪波地方に伝わる。憑き物の一種で、人形を用いて作る。祀ると欲しいものを何でも持ってきて、用事を言い付けなければ「今度は何だ」と催促するという。祀っていた者は死ぬ時に非常に苦しみ、地獄に落ちるという。(佐伯安一『民間伝承』通巻一四〇号「砺波のヒンナ神」)
オボラ:オボラビ、オボロとも。愛媛県大三島地方に伝わる。海上や墓地に現れる怪火。亡者の霊が成すのだという。(桂井和雄『土佐民俗』通巻一号「オボ・オブ・ウブをたずねる」)
乗り越し【ノリコシ】:岩手県遠野地方に伝わる。小さな影法師のようなのをよく見ると、だんだんと背が高くなり家の屋根を乗り越してしまうという。見下ろすようにすればよいという。(柳田國男『遠野物語』など)
一貫小僧【イッカンコゾウ】:鳥取県・岡山県境の蒜山高原に伝わる。登山者の前に、袈裟を着て手に数珠を持った小さな坊主が現れて、言葉を一言かわすと消えてしまうという。(平川林木『自然と文化 一九八五秋季号・巨人と小人』「中国地方の巨人と小人」)
囀石【サエズリイシ】:しゃべり石とも。群馬県吾妻郡中之条町に伝わる。ある男が親の敵を訪ねてきて、この石の所で野宿をした。すると石から敵の居場所を話す声が聞こえてきて、男は仇討ちを果たせたという。その後もよく声を発した。(金子安平『旅と伝説』通巻九三号「奥上州の石に関する伝説」)
おとら狐【オトラギツネ】:愛知県南設楽郡に伝わる。病人によく取り憑く狐で、憑かれた者は左目から目脂を出し、左足の痛みを訴える。おとら狐は長篠合戦の流れ弾を左目に受け、その後狩人に左足を撃たれてしまい、片目片足になったという。(早川孝太郎『郷土研究』四巻六号「おとら狐の話」など)
ヒザマ:鹿児島県沖永良部島に伝わる。鶏のような姿をしており、頬が赤く羽根は胡麻塩色をしているという。火事が起きる原因と考えられ、ヒザマが宿るとされる空の瓶や桶は、常に水を張るか伏せておくという(柏常秋『沖永良部島民俗誌』など)。
柿男【カキオトコ】:ある屋敷の庭の柿の木にたくさんの実がなった。召使いの女がそれを食べたいと思うと、夜中に真っ赤な顔の大男が現れ、自分の尻を串でほじくり、それを舐めろといった。女がそれを舐めると、とても甘い柿の味がした。柿の実が大男に化けたのだという。(佐々木喜善『聴耳草紙』)
麻桶の毛【アサオケノケ】:徳島県三好郡賀茂村に伝わる。彌都波能売(ミツハノメ)神社の御神体は麻桶に入れられた一筋の毛であり、神の心が穏やかでないとその毛が長く伸び、幾筋にも裂き分かれて、桶の蓋を突き上げて伸び続けるという。(『阿州奇事雑話』など)
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雷獣【ライジュウ】:日本各地に伝わる。雷とともに空から落ちてくるといわれる怪獣。ミイラや爪痕、絵姿などが多く遺されている。(日野巌『動物妖怪譚』など)
ヒザマ:鹿児島県沖永良部島に伝わる。鶏のような姿をしており、頬が赤く羽根は胡麻塩色をしているという。火事が起きる原因と考えられ、ヒザマが宿るとされる空の瓶や桶は、常に水を張るか伏せておくという(柏常秋『沖永良部島民俗誌』など)。
多々良入道【タタラニュウドウ】:製鉄を行う地方に伝わる。同じ場所で長い間鍛冶を行い続けると現れて、鉄山の人を食い殺すという。(下原重仲『鉄山必要記事』)
スネカ:岩手県沿岸部に伝わる。正月十五日の夜に、怠け者の象徴である脛の火斑を取るという。ナマハゲの類で、「脛かっちゃぎ」が略されて付いた名だと考えられる。(丹野寅之助『旅と伝説』通巻八二号「すねか」)



瓶詰妖怪

















